あだたらコラム

ふらっとよりみちインタビュー #2 『スカイピアあだたらアクティブパーク』

岳温泉観光協会では「もっとたくさんの人に福島を知ってもらいたい」との願いから、
安達太良山周辺エリアにて活躍される方々の「福島や地元に対する思い」、
またなかなか聞くことのない「震災からの復興」というテーマで5人の方にインタビューをさせていただきました。

第2回目は岳温泉から車で5分の「スカイピアあだたらアクティブパーク」を手掛けた、有限会社エム・ティ代表取締役の平学さんです。

 

ふるさとの復興に必要なのは人の力。賑わいをとり戻す一助になる

有限会社エム・ティ 代表取締役 平 学さん

スカイピアあだたらアクティブパーク(SAAP)内にて

 

自然というフィールドに生かされた恩返しのために

東日本大震災(以下:震災)当時は、サーフィンやスケートボード関連のショップを経営していました。生まれも育ちも岳温泉で、その自然の中で遊ぶことが大好きで、自分が遊んでいたことをそのまま仕事にしている感じでした。遊びを本気で追求するとちゃんと仕事になることを体現していると思いますよ(笑)。

それが、震災が起き原発事故の影響で屋外での遊びに制限がかかってしまった。それまで当たり前に子どもたちは屋外遊びをしていたのに、いきなりダメになってしまった。子どもたちにと外遊びを教えていた自分たちにとって、職を失ったと同じ出来事でした。

あれから地震や津波の爪痕は復旧しつつあります。でもほかに人間がもたらした原発事故によって離れ離れになって、まだ故郷から離れなければならなかった人たち、街が再建できていないところもある。さまざまな制約のなかで自分がやっていけることはなんなのか?と考えたとき、これまで福島の自然があったからこそ、自分たちの仕事は成り立っていた。仕事をさせてもらっていたことに対する恩返しをしようと思い立ちました。

自身も現役でサーフィンやスノーボードを楽しむ

 

新しい遊び場は、子どもも大人もストレス発散の場所

そしてはじめたのが、屋内の遊び場『CHANNEL SQUARE(チャンネルスクエア)』でした。2011年の6月にキックオフをして、2014年の夏まで仲間たちとイベントを開催しながら寄付金や募金を集め、2015年の3月に福島市にオープンさせることができました。その時、音楽バンドのMAN WITH A MISSIONのみなさんやEXILEのUSAさん、さらに作家の高橋歩さん、企業や著名人など、多くの方々に賛同していただきました。「子どもたちにたくさん遊んでほしい」「何かを学んでほしいという」思いに共感してもらえたのだと思います。

CHANNEL SQUAREでできる遊びは、スポーツクライミング、スラックライン、スケートボード。サポートスタッフもいるので、安心して遊べる施設にしました。でもそこは子どもたちと一緒に来る大人たちがつながる場所でもあったんです。

子どもたちと一緒に来る大人同士、自然といろんな話で盛り上がることでストレス発散にもなる。その当時のストレスや不安の原因は放射能。空間線量や食べ物など、避けようのない見えない不安に対するストレスや不安を発散できる場所になりました。

CHANNEL SQUAREが軌道に乗り多くの方に利用されてきましたが、利用者が上達していくこともあり、もっと広い場所はないかと悩んでいた時に、私の生まれ故郷でもある二本松市から、地域のコミュニケーション、スポーツ促進、観光に結びつく施設づくりのお話をいただきました。そして2018年4月に『スカイピアあだたらアクティブパーク』をオープンさせました。このパークはコンセプト作りから設計管理まですべてを任せてもらいました。

パーク内施設ではスポーツクライミング、スケートボード、スラックラインの3つのスポーツが楽しめる

 

復興は人々の活気が必要。その活気を取り戻す“ハブ”となる

オープンしてすぐの5月に、自分が生まれ育った街を盛り上げたいという気持ちで企画したイベント「ADATARA CHANNEL FES(あだたら チャンネル フェス)」を開催しました。

このイベントは、音楽やスポーツ、食などさまざまなコンテンツを楽しんでもらいたい、二本松市の魅力を知ってもらいたいという思いがあります。「フェス楽しかったね、また行きたいね」と思ってもらうことはもちろん、次に訪れた時に「安達太良山に登ってみようか」、「あそこの温泉に入りたいね」「お酒も楽しみたいね」と、二本松市にある魅力を楽しむきっかけになればいいですね。

楽しかった思い出はいつまでも忘れないものです。例えば二本松市の提燈祭りは年に一度のお祭りなのに、あれだけの人が集まり街も盛り上がる。人や街が盛り上げることで賑わいが生まれる。それを継続することが『復興』だと思っていて、CHANNEL SQUAREのコンセプトにも通じるところがあります。

ADATARA CHANNEL FESを続けることで、二本松市で楽しい思い出をたくさん作ってもらって、何度でも足を運んでもらう。そして年を重ねた時に「あの時あそこで遊んだよね」「あの歌で最高に盛り上がったよね」と、思い出せる場所にしていきたいです。

昨年5月にADATARA CHANNEL FESと同時開催された音楽フェス「東北ジャム」

 

SAAP前でのADATARA CHANNEL FESの様子

 

自分の原点には、背中を押してくれる人がたくさんいる

生まれ育った岳温泉は、まさに自分の原点。それは諸先輩たちが、周囲が驚くようなことを本気になって楽しんでいたから。自分が小学3,4年生くらいの時に岳温泉のなかに『ニコニコ共和国』が建国されました。街の中に国を作るなんて誰も思いつかないでしょ?でも本気で楽しんでやってのけてしまった。子どもながら「バカげたことを楽しんでいる大人たちってすごいな!」と。その出来事はいまでも自分の根幹にあります。

本気で楽しむ後押しをしてくれる人がたくさんいる場所。それが岳温泉の魅力だと思います。

これからも諸先輩たちに負けない遊びを生み出していきたいと思います!

 

スカイピアあだたらアクティブパーク
公式HP:http://skypia-adatara-activepark.jp/

一般社団法人F-WORLD 「CHANNEL SQUARE」
公式HP:http://channelsquare.jp/

Profile: 平 学(たいら まなぶ)
1970年3月10日生まれ、福島県二本松市岳温泉出身。有限会社エム・ティ代表取締役 業務内訳として、スノーボード、サーフショップSHREDDERオーナー。スノーパークプロデュース、イベント企画業務などを手がけるBRAVE PROJECT代表。震災後、福島の地域活性化を目的とした、子ども達の遊べる施設、一般社団法人F-WORLD代表理事(CHANNEL SQUARE)を建設。多岐にわたるアプローチでエクストリームスポーツの楽しさを全国に向けて発信しつづけている。

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