あだたらコラム

ふらっとよりみちインタビュー #3 『まるせい果樹園』

岳温泉観光協会では「もっとたくさんの人に福島を知ってもらいたい」との願いから、
安達太良山周辺エリアにて活躍される方々の「福島や地元に対する思い」、
またなかなか聞くことのない「震災からの復興」というテーマで5人の方にインタビューをさせていただきました。

第3回目はフルーツ王国ふくしまを代表するピーチライン(国道13号線)で、果樹園と採れたて果実を生かしたカフェを営む佐藤清一さんです。

 

目指すは果物のテーマパーク!果物と笑顔の力で福島を盛り上げる。

まるせい果樹園 代表取締役 佐藤清一さん

素敵な笑顔とはじけるトークが印象的な、佐藤さん。

 

自然と向き合い、手塩にかけて育てた種類豊富な果物たち

まるせい果樹園として観光果樹園を営みはじめて、自分で2代目。佐藤家初代から3代目まで、この辺りで盛んだった養蚕農家でした。そして4代目から果樹農家へと転身しました。果樹農家として100年くらいの歴史があり、この辺りでは先駆けの方だったと聞いています。果樹園の敷地面積が8.5ヘクタール。だいだい東京ドーム2つ分で、さくらんぼ、もも、なし、ぶどう、りんご、ラ・フランス、柿など栽培しています。少量ですがあんぽ柿も生産しています。1年中、果物と対話している感じですね。

よく「果物は生き物」と言われます。栽培の出来はその時々の天候や気候に左右されることが大きいですが、丁寧に手を加えることで品質も味も変わります。それにお米や野菜の栽培と違い機械化できません。枝の剪定や摘蕾、摘果など何度も人の手で愛情をたっぷりかけてあげることが大事です。実りのない冬の時期でもご近所の農家さんたちと、いい果物を栽培するためにいろいろと試行錯誤をしながら取り組んでいます。

大変だと思われますが、いい果物が実ってお客さんが「おいしい!」と喜んでくれることで、それも報われるし、その瞬間が一番うれしいです。

「まるせい果樹園」の果実はどれも愛情がたっぷり。取材時にはりんごの実りが真っ盛りでした。

 

震災があって地固まる。スタッフが一致団結して高みを目指す

果物の栽培のほかに果物狩りや直売所も経営している観光果樹園です。自立してやっていけるかなぁと思っていた矢先に東日本大震災(以下:震災)が起こりました。大きな地震でしたが1ヶ月もすれば生活も元通りになるだろうと思っていました。しかし、時間が経っても元には戻らなく、どんどん不安が募りました。観光シーズンはさくらんぼ狩りからはじまりますが、例年4月頃になるとお客様などから、そのシーズンのおいしくなる時期の問い合わせがありますが、まったくありませんでした。さらに6月の収穫時期になってもお客様が来る気配がありませんでした。旬の時期は大型バスや個人のお客さんの車で駐車場が満車になるのが、1,2台くらいしか停まっていない。「いやいや、これは本当にどうしたら良いのか」と、青ざめましたね。

もちろん、売上も前年の同時期と比べて一時、1割くらいまで落ち込みました。それを見た時は愕然として「代々続いた果樹農家を辞めなくちゃいけないのか」と、頭を抱えました。スタッフの皆んな、自分の家族のことを考えると、眠るに眠れない。でもみんなで話し合った結果、「いまがどん底。これからもう一度、這い上がればいい。みんなでがんばって高みを目指す」と、一致団結して、まるせい果樹園を存続させることにしました。

風評被害に負けず、震災からの復興への決意を語る、佐藤さん。

 

お客様に支えられ、新しい取り組みで活路を見出す

震災後は、関東を中心に30箇所くらいのイベントに声をかけていただいき、福島の果物を届けに行きました。

当時は放射線量を懸念するお客さんもいたので、自分たちで独自の検査機関で測定してもらった数値を資料化したものを手に持ち、安全をPRしながら販売を続けました。

各地を巡っているなかで、やはり福島の食べ物に敏感な方や業者の方もいます。数値はゼロでも不安に感じると思います。数値以上に見える安心がほしい。そこで農産物の安全を確保する農場管理手法の認証である『GAP(ギャップ)』に着目しました。これは第三者が農産物の栽培について仕事の管理や農薬の管理、販売管理、生産環境整備などを審査するもので、認証を得ると安全性の高い農産物を生産できる農場と認められます。この認証は130以上もの項目をクリアしないと認証されず、とても大変。日本だけではなく海外でも認められているもので、取得すれば大きな信頼を得られます。

2013年6月に日本基準の『J GAP(ジェイギャップ)』、その後、世界基準の『G GAP(グローバルギャップ)』を取得しました。この2つのGAPを取得したおかげで、安全を気にするお客様や大手スーパーにも受け入れられ、販路の拡大にもつながり、おかげで震災前の売上を上回るまでになりました。

震災をきっかけに、新しい取り組みにも挑戦できましたし、スタッフの皆んなの働くことに対する意欲向上にもつながっていると思います。

直売所に隣接する「森のガーデン」の採れたてパフェは超絶品!!

 

果物のテーマパークの楽しさを、福島に還元したい

震災の時、スタッフと「震災前に戻るのではなく、はるかに越える果樹園になろう」と誓いました。まるせい果樹園では、果物狩りが出来て、直売所があって、果物をふんだんに使ったパフェが味わえるカフェもあります。近い将来、ここを『果物のテーマパーク』にしたいという思いがありますが、それはここに来ることで、福島っていいところだったね、また来ようねって、笑顔になってほしいんですよ。笑顔の思い出はいつまでも残るものだと思います。楽しかった、笑顔になれた思い出を口コミで広げてほしい。笑顔の連鎖で多くの方に福島に来てほしい。その思いを胸に、これからもみんなでがんばります。震災なんかに負けませんよ!

「百姓魂」で今日も元気にがんばります!!

まるせい果樹園
公式HP:http://www.geocities.jp/fukushimamarusei/
住所 :福島市飯坂町平野字森前50-1
TEL:024-541-4465

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